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♢私立小学校訪問記/京都文教短期大学付属小学校

2022.02.12

 平安神宮の前を通ると小学校・中学校・高校が一体となった校舎がありました。

歴史と文化に囲まれたこの地で児童たちの感性と知性を磨きます。

 本日は「やさしい人になってほしい」との願いのもと、「明るく」「正しく」「仲良く」を校訓とする京都文教短期大学付属小学校の校長先生と面談しました。

以下は校長先生とお話ししたことを列記します。

【学校では、教育の目的をどのように考えていますか】

 本校は「三宝帰依」を建学の精神とし、「明るく」「正しく」「仲良く」を校訓とし、社会に有為な人材となり、他者の喜びを自らの喜びとする人になって欲しいと考えています。

また6年間で次の5つの力を身に付けて欲しいと考えています。

1.豊かな心 :「人としての基本の行い」「感謝の心」「思いやりの心」「自然を愛する心」

2.丈夫な体 :少々の困難にも耐えうる体力、生涯を通じての健康の保持・増進の意識

3.確かな学力:学習への関心・意欲・態度の醸成、基礎学力の鍛錬、思考力・言語表現力の育成

4.広い視野 :自然体験、社会体験、生産体験を通して、物事を幅広く、柔軟にとらえる能力を育む

5.高い人権意識:国を問わず、人間と文化を正しく理解できる国際的感覚を養い、自他の人権を重んじる

【受験対策はどのようにすればよいのでしょうか】

 ペーパーテスト、制作・絵画、運動・行動観察、親子面接があります。

1.ペーパーテスト

 推理、言語、図形、記憶など一般的な思考力の問題が出ます。

2.制作・描画

 絵を書いたり、ちぎり絵をしたりして、作品を作ります。作品を作る過程で、創造力を問う質問もします。はさみが使えるか等の指先の調整能力、思考力を見ます。

3.運動

 運動は最低限の運動機能があるかを見ます。

4.行動観察

 10名ほどのグループで活動をしてもらいます。

 教員の話を聞いて、理解できているか、ルールを守れるか、周りと協調できるかを見ます。

5.親子面接

 お父さんとお母さん共に参加して頂きたいです。保護者様には本校の教育理念に対するご理解、志望理由、ご家庭での教育方針を伺います。

同じ質問をお父さん、お母さんにさせて頂くこともございます。

お子さまには、園での生活、ご家庭での生活の様子などを聞きます。

就学前のご家族のご関係性を大切に考えています。

【京都文教短期大学付属小学校の教育の内容】

 本校の特色を「学び」「創造力の育成」「学校生活」「こころの教育」の4点でお話しさせていただきます。

1.学び

 毎日の授業を通して、基礎基本をしっかりと身につけます。関心・意欲・態度を軸とする学習習慣が、生涯を通して「考える力・課題を解決する力」の礎となります。

「一人ひとりに目が行き届く教育」によって、勉強だけでなく、あらゆる面で目標に向かって努力する集中力や、仲間と共に取り組む協調性・行動力を培い、達成感を実感しながら次のステップに進む過程を大切にしています。

1.2年生では、「人としての基本行動ができる」、「英語は1年生から」、「基礎体力作り」など基礎力を鍛えます。

3.4年生は「基礎学力づくり」、「課題発見能力」、「体力づくりと集団行動」など学習の基礎作りを行います。

5.6年生では、「探究的学習」、「課題解決能力」、「応用力の鍛錬」など行動力と課題解決能力を鍛えます。

2.創造力の育成

 「表現すること」の楽しさと難しさ、その両方に日々向き合い、自らの世界を深めていきます。

 本校では、英語・理科・図工・音楽・情報教育の専科授業に「教科担任制」を導入しています。

 これらの授業によって培われた発想力、創造力、伝達力、言語力はもちろんのこと、普段の学習、「こころの学習(月影教育)」の成果のすべてが、年に2回の「学びと力の発表会」で披露されます。また、総合学習で育まれる力「計画」「調べ方」「仲間と協力」「創作」「発表」を設定し、子どもたち自身が、学習によって身につけた学びを評価し、次の目標・課題としています。

 「学びと力の発表会」は舞台発表、スピーチ、音楽ステージの3部構成で、年に2回行われます。それぞれ、自ら考え、調べ、問題解決を行い、練習や準備に時間をかけ、一人ひとりが自らの役割をよく理解し、仲間と協力してつくり上げます。

 仲間と解決する力や、大勢の人の前ではっきりと発表できる能力を養います。

 毎年、さまざまな工夫と知恵、発表するまでの努力が伝わる発表会となっています。

3.学校生活

 入学時から高学年児童の行動をお手本にしながら、5年後には経験の積んだリーダーとなります。

本校では、運動会をはじめとする多くの行事で縦割り活動を行っており、これらを総称して「れんげ活動」と呼んでいます。毎年4月に1年生が入学すると、6年生が班長をつとめる縦割り班が構成されます。低学年の児童は、学校生活におけるさまざまな規律ばかりでなく、児童会活動や遠足行事、集団活動を通して、協調性や責任感についても高学年の児童をお手本とし、学びます。6年生は、1年生から5年生の面倒をみるので、思い通りにならず大変ですが、その大変さを学ぶことも大切なことだと考えています。全校児童が自らの役割を意識し、「助け合い支え合う」精神は、本校が誇る伝統の一つになっています。

4.こころの教育 

  6年生は、修学旅行で沖縄を訪れます。歴史の重さに心を寄せ、今、生かされている自分に向き合う体験です。

 本校では、「感謝の心」「謙虚な心」「思いやりの心」「自然を愛する心」といった「こころ」の教育を何よりも重視し、6年間を通して「人としての基本の行い」を身につける指導を徹底して行っています。学習態度はもちろんのこと、あいさつをはじめとする生活指導に力を入れ、学校生活をそれらの実践の場として捉えています。子どもたちは、家族や先生、友達を含め、周囲の人々の人格を見て学んでいきます。毎週水曜日に行われる礼拝、日々の共同生活や共通の体験を通して育まれる「こころ」の成長こそ6年間で得られる宝物といえます。

【訪問を終えて】

 京都文教短期大学付属小学校の校長先生は終始にこやかで穏やかな方で小学校のみんなのお父さん的な存在の方でした。

 校長先生のお話の中で、「本校では、掃除活動を大切にしている」と語られたことが印象的でした。その内容は次のようなことでした。
「週に一度の礼拝のお話の中でも、繰り返し掃除の大切さをお話ししています。それは、掃除という活動が【心】を鍛えるからです。だれでも、少し嫌だなとか、遊びたいなと思うことがあると思うのですが、そんな時こそ、自らを律して掃除に取り組む。その積み重ねで、心が強くなるのです。
また、掃除はみんなに感謝される活動です。自分の活動がみんなの役に立つことを感じることで、自己肯定感が高まり、自分に自信を持つことにつながるのです。」

【ピグマリオンとの関連性】

 京都文教短期大学付属小学校の「こころ」の教育は、ピグマリオンの思いやりや信頼感などの感性・人間性、思考、創造などの知性を育む二人称教育に関連性があります。

 ですから、入学後も安心して、ピグマリオンの二人称教育で育てた「確かな学力」、「人間力」を発揮してください。

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