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♢私立小学校訪問記/はつしば学園小学校

2021.12.24

 小学校に到着すると、校長先生がお越し頂き、英語の授業と月に1度のお琴の特別授業の見学をさせて頂きました。お琴の特別授業は3年前から始めており、生田流の師範をお招きして、日本の伝統文化を学びながら、マナーや姿勢、音を全員で合わせることで、一体感や他者とのつながり、社会性を自然に学ぶようにしているとのことです。

 本日は「個性」を大切にしている、はつしば学園小学校の校長先生と面談しました。

 下記に、校長先生とお話したことを列挙します。

【学校では、教育の目的をどのように考えられていますか】

 学園の教育理念である「夢と高い志、挑戦、そして未来想像」のもと、社会に貢献し、世界で活躍する創造的な人材の育成を目指しています。

 「個性」を大切に、「きく」からはじまるはつ小の学びをモットーに「学び合い」「高め合い」「未来につながる」教育を行います。

 「きく」こと、それは相手を認め、心を許す行為です。人と関わる中で、想いや考え、感じ方の違いを認め合い、相手に寄り添うことができます。

自分の意見を言うだけでなく、「きく」ことが出来れば、相手の考えを理解した上で、自分の意見の再整理ができます。子どもと子ども、子どもと教師の信頼関係を基盤とした学級で、安心して学びに向かうことができる学校づくりを目指します。自分の個性を大切にすることと同様に、相手の個性を尊重できる人に育ってほしいと願っています。

【受験対策はどのようにすればよいのでしょうか】

 試験はペーパーテスト、集団テスト、親子面接になります。

 試験のポイントは下記になります。

  1. ペーパーテスト

 一般的な知力問題(記憶力、言語、図形、常識知識など)に加え、絵画制作があります。絵画制作ではデッサン力ではなく、よく話を聞き、指示を理解し描けているか、色や形に工夫が見られ、バランスが取れているか、丁寧に粘り強く、かつ時間内にできるかを見ます。

2.集団テスト

 友達と一緒に、先生の指示を聴いて、ルールを守って活動をしていただきます。

 話をしっかりと聴いているか、基本的な生活習慣が身についているか、指示に従って行動ができるか、集団行動ができているか、その年齢に応じた行動ができているかを見ます。

3.親子面接

 お子さまと保護者さまにご質問させていただきます。

 ポイントは良好な親子関係を築くことができているか。学校の教育方針に賛同し、家庭の教育方針が合った中で、子どもの成長を共に喜び合うことができる関係になることができるかということです。

質問内容は以下になります。

(お子さま)

・自分の名前、住所、連絡先が言えるか

・最後まで正しい姿勢で聞けるか

・善悪の判断があるか

・自分の気持ちを相手に素直に伝えることができるか

(保護者さま)

・親子の間で良好なコミュニケーションができているか

・保護者さまが教育や子育てに対して信念や想いを持っているか。

お子さまが過ごす大切な6年間ですので、本校の教育方針を理解して頂き、入試に臨んでいただきたいと思っています。そのためにも是非、事前に本校に見学に来ていただき、本校の児童を見てほしいと思っています。

【はつしば学園小学校の教育方針】

 教育方針には7つの柱があります。

  1. グループペア学習

 聴き合い、学び合い、高め合う学習スタイル。「教師が教える」一斉授業から脱却し「子ども同士が学び合う授業」を展開しています。座席をコの字に配置し、お互いの顔を見合う中で、自然な形で聴き合い、思考や学びを高め合います。

 1年生の国語のペア学習では、一つの教科書を交互に読むペア読みを行います。相手の読みを聴き、自分の読みを聴いてもらうことで、一人で読むよりも文章を深く味わうことが出来ます。

 5年生の道徳のグループ学習では、友達の考えを聴くことで、自分の考えを深めたり、新しい視点を見つけたりすることが出来ます。高学年では、グループを中心に友だちと共に学ぶことを通して、子ども同士が支え合える環境づくりを行っています。

2.国際人の基礎を育てる英語教育

  聞く・話す・読む・書くの4技能のバランス良い習得を目指します。「GrapSEED」のカリキュラムを採用し、1年生から1クラスを2分割し、年間120時間の英語授業を行います。

 授業はネイティブ講師によるオールイングリッシュで本物の英語に触れます。

 6年間で英検3級相当の英語力を目標とし、グローバル社会に適用するコミュニケーションの素地を身に付け、世界に羽ばたける人材育成を行います。

3.プログラミング的思考の育成

 公式や解放パターンを覚えるのではなく、プログラミングソフトを使い、道筋を立てて、問題解決に取り組みます。

 思考を視覚的にとらえ、視覚的にとらえた理解を論理的に表現し、考えることで課題解決能力を育みます。2021年度より、ipadを購入し、「AIを育てる」等、新しいプログラミング教育に取り組みます。

4.探求心を刺激するはつしばサイエンス

 自然や化学の事象になぜ?どうして?不思議?と心ひかれて探究を深めようとするとき、「科学する心」が育ちます。本校では1年生の生活科から理科へと積極的に科学活動を取り入れ、6年間を通して「科学する心」を育んでいきます。

 本校のはつしばサイエンスには3つのポイントがあります。

①好奇心を育てる

 実験や観察を通して理科に親しむことで、子どもたちは自然や化学の事象に対して、「なぜ?」「どうして?」と自分で考える習慣を身に付け、探究を深めようとします。そうした知的好奇心は、科学の枠を超えて、全ての学びへの意欲をかきたてる力になります。

②勇気をもって新しいことに挑戦する

 科学を通して、失敗しても良いから勇気をもって、新しいことに挑戦する子どもたちを育てます。

③想像力を育む

 実験や観察など、探究を深める活動では、五感で感じる活動であると言えるでしょう。見る、触れるなど直接的な体験を磨き、自然を把握する能力、つまり想像力を育みます。

 

5.本物に触れる体験授業

 知識が知恵に変わるのは、児童が実際に自ら体験し、体得した瞬間です。

 身体を使って感じ、学ぶ実践的な学習を通して、仲間との協調性や社会性などの人間力を養います。宿泊体験は全学年で行っており、大自然の中で先生や友だちと寝食を共にして過ごすことで、友達の良さを見つけ、集団の中で自分の役割を果たすことで協調性を養い、自主・自立の精神を身に付けます。またレインボー遠足では異学年の児童で遠足に行きますが、異学年の児童との関わりを通して集団の一員としての自信や誇りを身に付けます。

6.人間力を形成するしつけ教育

 しつけ教育を通して、当たり前のことを当たり前にする大切さを学びます。

人との関わりの中で、自らを律し、思いやりの心をもって行動できる子どもを育てます。

しつけ教育には3つのポイントがあります。

①生活目標の三原則「挨拶・歩く・後始末」

人との関わりにおいて極めて大切なこの三原則を当たり前にできることを目標にしています。

②「自問清掃」で育む「がまん・親切・創造力」

一言もしゃべらずに清掃することでがまんする心、気を働かすことで生まれる親切の心、どうやってきれいにするか工夫を凝らすことで生まれる想像力を日々の清掃で育みます。

③公徳心を身につける通学指導

本校には、登下校で公共交通機関を利用する児童が多くいます。日々の学級指導、登下校コース別の指導などを通して、公共マナーについて粘り強く指導します。

7.進学を見据えた授業制度

 本校では、ほぼ100%の子どもたちが中学校を受験し、一人ひとりの夢に寄り添い、努力の先にある高みを目指します。

 誰もが最初は「やらされる勉強」からスタートします。それが、「何か」に気づいて「自らやる勉強」に変わった時、子どもは必ず伸びます。その「何か」が本校にはつまっています。

 低学年の頃より中学進学を見据えた先取り授業を行っています。6年1学期には小学校の教育課程を終え、2学期には中学入試に向けた本格的な準備を行います。希望者には放課後、国語と算数を対象に70分のロング学習も行います。

【訪問を終えて】

 一斉授業からの脱却を目指すため、グループペア学習、様々な体験学習など子どもたちがいかに主体的に学べるかを考え、学校運営に取り組んでいるのと感じました。

それがはつしば学園小学校が大切にしている「個性」を育てる教育なのでしょう。

また「幼児期の愛情あふれる教育の延長に小学校教育がある」と仰った校長先生のお言葉にも、まさにその通りだと思いました。

【ピグマリオンとの関連性】

 他者との関わりの中で学び合うこと、学び合いの中で答えを導き出すことは、ピグマリオンの集団レッスンでの学び合い、思考力教育に関連性があります。

 ですから、入学後も安心して、ピグマリオンで育てた学び合う心と思考力教育を続けることが出来るでしょう。

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