♢私立小学校訪問記/賢明学院小学校
2021.12.20
エントランスに入ると、年季の入ったトランクがお出迎えしてくれました。
1948年に賢明学院小学校設立のきっかけとなったカナダのシスター方が来日の際、お持ちになったものだそうです。
本日は校長先生、教頭補佐先生とお話した内容を列記します。
【学校では、教育の目的をどのように考えていますか】
「世界の平和と発展に自ら貢献できる人間を育成する」ことを建学の精神としています。
賢明学院では幼稚園から高校までの一貫教育、また「関西学院大学の系属校」であることで大学進学についても安心して頂ける体制づくりをしております。
学校生活において過度な受験勉強に追われることよりも、「自主、自立、自律」の実践を優先し、世界に羽ばたける人間を育てます。
【受験対策はどのようにすればよいでしょうか】
受験は3日程あります。
日々の生活の様子や、家庭での様子を大切にしたいので、A日程では、行動観察、親子面接で選考します。B、C日程ではペーパーテストが追加されますが、大切なのは行動観察、親子面接になります。
1.行動観察
話がきちんと聞けるか、約束が守れるか、友達に優しくできるか等を見ます。
2.親子面接
親子関係、当校の教育方針への理解を確認します。
教育においては学校任せではなくご家庭での取組も非常に大切であると考えております。
【賢明学院小学校の教育方針】
- 国際教育
英語教育には力を入れており、1年生から少人数でネイティブ教員が担当、4年生では基本会話が出来ることを目指します。
5.6年生は大学受験の指導経験のあるバイリンガル教員が担当、中学以降を見据えた専門的な英語教育を行える環境を作っております。
その結果、GTEC Juniorでは全国平均スコアのプラス70点以上の実績、「TOEFL primary®」では全世界上位7%に入賞した児童が3名います。
2.国語教育
読み・書きの能力だけでなく、日記や作文を書く機会を多く作り、自分の考えや思いを文章にする表現力を育みます。行内の読書コンクールは30年以上続けており、大阪府や全国のコンクールにも進んでおります。
また発表の場も多く設けることで、聴く力、話す力の基礎を育て、将来のリーダーを目指しております。
3.算数教育
知識の詰込みではなく、日常生活の場面の疑問、気づき、見通しを大切にしております。子どもたちが考えた図や言葉から、数式に対応させ、学習することで思考力を高め、自ら答えを導き出せる力を育てます。
5年生からは算数専科教員による独自のカリキュラムで中学数学への橋渡しとなる「文字と式」、「図形」、「関数」の内容を扱います。
4.宗教教育・道徳教育
本校の教育活動の根幹にキリスト教的精神がありますが、具体的にその内容について学ぶための時間として「宗教」の時間があります。
宗教を建学の精神としている私立学校では、学習指導要領における「道徳」をそのまま「宗教」に置き換えることが認められており、多くの私立学校では「宗教」に置き換え、授業をしております。
しかし、本校では社会ルールやマナーを学んだり、広い視野で物事をとらえ、互いの価値観を認め合う道徳教育も大切だと考え、月に1回授業として行っています。
5.進路指導
幼児期から高校までの一貫教育及び関西学院大学の「系属校」としての位置づけをベースに、個々の特性に合わせた進路指導をします。受験勉強だけに時間を費やすのではなく、個性を伸ばす教育を目指しています。
【訪問を終えて】
在籍生の特徴をお聞きした時に「穏やかで素直」、保護者も学校に対し、すごく協力的だとお話し頂き、学校が心の教育を大切にし、学校、保護者が協力し合って、お子様の成長に尽力されていると感じました。
賢明学院小学校の生徒が様々なコンクールに入賞されているのは、受験教育だけでない、個々の成長、特徴に合わせた教育を行っているからこそ出来るのでしょう。
関西学院大学の特別推薦枠だけでなく、カトリック系の学校のため、高い偏差値の大学から中堅までの大学の幅広い推薦枠もあるため、そのお子さまに合わせた大学選びが出来るのも賢明学院の魅力だと感じました。
【ピグマリオンとの関連性】
親子関係、感性を大切にする点において、ピグマリオンでは二人称の教育として、親子が共に学び、共に成長することを前提としている点で関連性があります。
ピグマリオンでは親子が一体となって学ぶことで感性、知性、創造性、人間性を高めていくことを目標としております。
ですので、入学後も安心して、「自ら考え、答えを導く」教育を続けることが出来るでしょう。