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♢私立小学校訪問記/百合学院小学校

2021.12.15

 エントランスホールに入ると一面に広がる百合の花のタペストリーが飾られておりました。百合の花は、聖ヨゼフのシンボルで聖ヨゼフの清さと愛を表しているそうです。

 本日は百合学院小学校のお母さん的存在の校長先生と入試担当の先生と面談しました。

下記は校長先生とお話しした内容を列記します。

【学校では、教育の目的をどのように考えていますか】

  建学の精神である「純潔」と「愛徳」を実践し、社会の幸せに貢献できる女性に育ってほしいと考えています。

「純潔」は聖母マリアにならい、汚れのない白百合のように、身も心も清らかに生きること、「愛徳」は神の慈愛を学び、すべての人を大切にし、喜んで奉仕することです。

 小学校6年間は人格形成でとても大切な時期であり、この6年間で「知」「徳」「体」の基礎をバランスよく、しっかりと身に付けて頂き、一人ひとりの才能を伸ばしていきたいと考えています。

【受験対策はどのようにすればよいのでしょうか】

 ペーパーテスト、行動観察・工作、運動、親子面接があります。

1.ペーパーテスト

 お話の記憶、言語、数量、推理など一般的な思考力の問題を行います。

2.行動観察・工作

 うまく出来るということも大事ですが、まわりのお友達に思いやりを持って接することが出来るか、ルールを守れるかを見ます。

3.運動

 身体能力よりもバランス感覚があるかを見ます。

4.親子面談

 普段の生活での親子の関わりや質問に対してきちんと答えられるか、ご家庭の教育方針について伺います。

【百合学院小学校の教育の内容】

 建学の精神に基づき「心をはぐくむ教育」「知をやしなう教育」「可能性をひろげる教育」の3本の教育を柱としています。

1.心をはぐくむ教育

 カトリック精神を基盤とした教育環境を整え、「神の慈愛を学び、全ての人を大切にできる心」を育てています。

 あいさつをはじめとして、お互いのコミュニケーションを大切にしております。自分と違う他者を認め、受け入れ、「人からしてほしいと思うことを、人にしなさい」という聖書の黄金律に従い、思いやりや奉仕の心を身に付けます。

 当校では週に1回、宗教の時間を設け、聖書や神様、感謝の心、奉仕の心を学び、その実践の場として、「届けよう服の力」プロジェクト、老人ホーム訪問による奉仕活動、本学院の百合学院幼稚園との交流などを行っています。また1年生には「担当のお姉さん」として6年生がつき、身の回りのお世話をしたり、1年生から6年生までたて割り班で清掃する「ヨゼフタイム」をつくるなど、他学年と交流できる機会を多くし、他者とのかかわりの中で社会性を育てます。

2.知をやしなう教育

 「もっと知りたい」「もっと学びたい」という知的好奇心を大切に「自ら考え行動する子」の育成を目指しています。

 今後はこれまで以上に社会が複雑化し、経験したことのない場面に多く出会うでしょう。そのような状況下では自ら考え行動し、問題解決できる力を必要であると考えています。また女子校としての利点を活かし、女性の成長、特徴に合わせた教育を行っております。

 主体的に学ぶ点については、授業の中で、一人一人の意見や考えを共有できる場を設け、学びあうことを大切にしています。課題や活動では班に分かれて、自分の考えを発表し、思考を高め、コミュケーション能力を伸ばすことを大切にしています。

 また当校は開校当初より英語教育に力を入れています。

「聞く」「話す」「読む」「書く」をバランスよく備えた英語力を養うため、6年間で学童保育をなど含めると最大900時間確保しています。

4年生以上では英語力の差が出ますので、「Read to me」という多読が出来るデジタル教材を使用し、「もっと学びたい」との気持ちに応えます。

高学年では「英語を学ぶ」だけでなく、プロジェクト型の課題に取り組んだり、言語や文化的背景を理解し、「英語を使える力」を習得することを目指します。

 「女子教育」では、算数が苦手な傾向があるので、パターンブロックを使用した算数教育、作文が得意な傾向にあるので、書くことを中心とした教育により、感じたことを文章化する、中心になることを書きだすなど、考えを深める力を伸ばします。またこつこつと取り組みできる児童が多いことから、宿題も出しっぱなしにせず、教師が付箋など使い、「お直しをする」ことで学びに楽しみを与えています。身体の発達段階に応じた運動にも積極的に取り組んでいます。ナザレトクラブ(学童保育)では、華道、茶道、フラダンス他をプログラムとして取り入れています。

3.可能性をひろげる教育

 共稼ぎのご家庭も広がっている中、放課後の時間もかけがえのないものとしてほしいとの想いから、学童保育、課外レッスン、学力アップ講座を行っています。

 ナザレトクラブでは、宿題、遊び、習い事が全て学校内で出来ます。曜日ごとに違う「曜日指定プログラム」は人気で、全校児童の4分の3、1年生はほぼすべての児童が利用しています。

 課外レッスンでは「ピアノ」「声楽」「チアダンス」を開講し、各分野の専門講師が直接指導し、年度の終わりには、保護者の方に1年の成果をお披露目する発表会を行います。

 学力アップ講座では5年生3学期から中学進学に向けた学力アップ講座、ネイティブ教員らによる英検合格に向けた対策講座を用意しています。

 上に挙げました3本の柱を実現するために、「児童」「保護者」「教職員」が三位一体となって「教育共同体」をつくり、教育に取り組んでいます。

【訪問を終えて】

 現在、女子教育に特化した小学校は関西に4校しかありません。

入学前は控えめな児童も、百合学院に入学にすると伸び伸びと活動ができ、埋もれることがなく、活躍の場を見つけることが出来るとのお話がありましたが、女子校ならではの魅力でしょう。

 また学校見学の際に、他の小学校では入口で泣いて学校に入らなかった子が、百合学院では喜んで入ってきてくれたとのエピソードがありましたが、家族のような温かい学校づくりが出来ている結果ではないでしょうか。

【ピグマリオンとの関連性】

 「自ら考え行動する」教育、「心をやしなう」教育は、ピグマリオンの思考力教育、二人称教育と関連性があります。

 ですから、入学後も安心して、ピグマリオンの思考力教育で育てた創造力で、「自ら考え行動する」教育、二人称教育で育てた豊かな感性・思いやりの心で、「心をやしなう」教育を続けることが出来るでしょう。

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