♢私立小学校訪問記/四天王寺小学校
2021.12.11
小学校に入ると大きな「お釈迦様誕生」のレリーフがあります。児童は毎日登下校時に合掌をし、お釈迦様が慈悲深く見守ってくださることへの感謝をしているそうです。
本日は聖徳太子の教えを脈々と受け継がれている四天王寺小学校の校長先生と入試広報担当の先生と面談しました。
下記は校長先生とお話しした内容を列記します。
【学校では、教育の目的をどのように考えていますか】
お太子様が制定された十七条の憲法の第一条「和を以て貴しとなす」に象徴される「和の精神」により、道徳観、倫理観を養い、勉学・スポーツ等において自己を徹底して磨く教育を実践してきました。利他の心を持ち、磨き上げた自己の知識・技能をもって、「人のために生きる」「人とのつながりを大切にする」人材を育成することが本学園の使命であります。
【受験対策はどのようにすればよいのでしょうか】
本校の入試は一般入試と対話型入試の2種類あります。
・一般入試
ペーパーテスト、集団面接、親子面接があります
1.ペーパーテスト
推理、言語、図形、切る・貼る・折る、など一般的な思考力の問題と指先の緻密性を見ます。
2.集団面接
勝ち負けがある活動と対話を通してグループで制作する活動があります。
まわりのお友達へのかかわり、状況に応じた声掛け、集団での適切な行動などを見ます。
3.親子面接
保護者様には本校の教育理念に対するご理解、志望理由、ご家庭での教育方針、お子様に対する思い、願いを聞きます。
お子さまには園での生活、家での生活、友達とのことを聞きます。
面接では相手の目を見て話を聞くことができるか、状況に応じた的確な返事ができるか、会話のやりとりがスムーズにできるか、自分の言葉で自分の思いを話すことができるかを見ます。
親子面接では保護者の方と一緒に簡単なゲームや活動も行います。
・対話型入試
個人面接、集団面接、親子面接があります。
- 個人面接
紙芝居を聞いて、登場人物になってお話の続きを創って頂くことと、お話の展開の中で、言葉、数量、記憶、推 理、図形、工作など各種の設問に答えて頂きます。
表現しようとする態度、自分なりの考え、積極的な姿勢、道徳的な考え、豊かな経験、認知能力を見ます。
2.集団面接
一般入試の内容と同じです。
3.親子面接
一般入試の内容と同じです。
【四天王寺小学校の教育の内容】
「ひとよ、育て。」が当校のもモットーです。
社会には時代ごとに国内外を問わず、あらゆる課題が存在します。その課題解決のために、たくましく、教養豊かな日本のこころを育てたいと考えております。
1.こころを育む
1年生から6年生までのたて割り活動である「ともいき活動」を通して、年齢差を越えたつながりを体験し、思いやりや感謝の心を育みます。
宗教の時間では、仏教精神に基づく道徳性を養います。高学年では、月1回、仏教思想を専門とする教員が、お釈迦様やお太子さまのご精神を解きほぐして話します。仏教用語の意味も自分の体験や身のまわりの出来事などを通して理解でき、宗教的情操を深めます。
また礼法を学ぶため、月一回、和室にて、茶道の師範にお作法を教えていただきます。我が国の伝統文化に触れる中で礼儀作法を身につけ、一段と情操を豊かにします。
2.探究心を育む
先生の答えを待つのではなく、自分から答えを見つけられる児童になって欲しいことから児童が主体の学びとなるIBL学習(探究学習)を取り入れております。
グループ学習を数多く取り入れることで、グループの中で、
課題発見→分析・思考→発表・表現→振り返り
を行い、探究心、課題解決能力を育てます。
また1年生から「自主学習ノート」を作成し、児童が興味のあること、不思議だなと感じたことに対し、調査、分析し、ノートに残す取組みを行い、自主的な学習意欲を高めます。
先日も虹の発生の原因について児童から質問があったので、図鑑などを使い、一緒に調べました。
3.英語教育
当校は英語教育にも力を入れております。
英語教育を通して、日本の文化を伝え、海外の文化を学び取り、世界で活躍できる人材を育てます。
1年生から3年生ではハワイにある提携校と、毎年協同で学ぶ課題を設定し、お互いの考えや思いを交流させています。
4年生ではハワイに研修に行き、これまで培った英語力で現地の人たちとコミュニケーションをとります。また学びの場所ハワイで民族の多様性、地球規模の環境問題に触れます。
当校では英語をツールとして活用できる力を備えるため、英語で行う音楽、体育、プログラミングの授業を取り入れています。
【訪問を終えて】
ガラス張りの校長室にはよく児童が質問や相談に来るそうです。
訪問した日も校長先生宛に6年生から音楽会の招待状が届いていました。
児童が自発的に企画し、校長先生に聞いてもらうために準備したそうです。
夏になると校長先生がカブトムシを捕まえて、校長室で飼育し、児童に観てもらうのですが、児童が目を丸くして観ている姿が好きとのことです。
学校生活の中で、「なぜ、どうしてだろう」の仕組みづくり、児童と先生との距離感が近くなることで、当学園の使命である「人のために生きる」「人とのつながりを大切にする」ことのできる学校づくりができているのではないでしょうか。
【ピグマリオンとの関連性】
「探究心を育む教育」、「心の教育」は、ピグマリオンの思考力教育、二人称教育と関連性があります。
ですから、入学後も安心して、ピグマリオンの思考力教育で育てた創造力で、「探究心を育む」教育、二人称教育で育てた豊かな感性・思いやりの心で、「心の教育」を続けることが出来るでしょう。